ヴィギャン・ヴァイラブ・タントラ 〜タントラ秘法の書〜
まず自分自身とひとつになる
[経文90]
両眼球に羽のように触れれば、
両眼の間の軽やかさがハートの中に開き、
そこから宇宙が広がる。
Osho,存在とひとつに ヴィギャン・バイラヴ・タントラ
最初の技法。この技法はじつに簡単であり、またじつにすばらしい。誰でもできる。タイプには関係ない。誰にもできて、誰にでも役立つ。たとえその中に深く入れなかったとしても、やはり役に立つ。心身を爽快にしてくれる。
退屈したとき、たちまち爽快にしてくれる。疲れたときでも、たちまち活力を与えてくれる。すべてがいやになったと感じるときでも、たちまち新たなエネルギーの潮(うしお)が沸き上がってくる。だから誰の場合でも、たとえこれを瞑想として使わない場合でも、この技法は有効だ。医療的な効果がある。健康をもたらしてくれる。実行するのもやさしく、必要なものは何もない。
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あなたのエネルギーの8割は目を通じて世界に入る。だから疲れるときには、目が最初だ。体のほかの部分はその後だ。最初にエネルギーが枯渇するのは目だ。だから目を蘇らせれば、体全体も蘇る。目はあなたのエネルギーの8割だ。目が活性化すれば、自分自身も活性化する。
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同じことがあなたの目でも可能だ。この技法はそのためにある−−−外に向かうエネルギーを、自分自身の上に戻し、ハート中心に落とすために・・・。エネルギーがハートに落ちれば、あなたはどこまでも軽くなる。まるで体が羽になったかのようだ。重力がまったくなくなったかのようだ。そしてたちまち自らの存在の最深の源泉と結ばれ、それによって活力が回復する。
タントラによれば、深い眠りによって活力が回復するのは、眠りのせいではなく、外に向かっていたエネルギーが内に向かうからだ。もしその秘密を知れば、普通の人間が6時間なり8時間かけてすることを、数分のうちにできるようになる。ただし、「普通の人間には8時間かかる」と言っても、実際にその人が自分でしているわけではない。自然に任せ、自然がするのだ。それが何なのか自分にはわからない。眠りの中で、何か神秘的なことが起こっている。その根底をなすひとつは、エネルギーが外に向かわずに、ハートに落ちることだ。それによって活力が回復する。つまりそれは、自分自身のエネルギーによる深い沐浴だ。
両眼の間の軽やかさがハートの中に開き−−−
その軽やかさは、ハートを貫き、ハートへと開く。ハートに入れるのは、軽いものだけだ。重いものはだめだ。ハートの中に起こるのは、ごく軽いものだけだ。
両眼の間の軽やかさが、ハートの中へしたたり始め、ハートは開いてそれを受け取る、そこから宇宙が広がる。そして滴るエネルギーは、流れになり、川になり、やがては洪水となる。そしてあなたはすっかり洗われる。洗い流される。もはや自分が存在するとは感じられないだろう。ただ宇宙が存在すると感じられるだけだ。息を吸うとき、息を吐くとき、自分はすでに宇宙になったと感じる。宇宙が中に入り、宇宙が外に出る。あなたがいつも抱えている実体、すなわちエゴは、もはやなくなる。
この技法はたいへんやさしく、また何の危険もないから、好きなように試していい。ただ、たいへんやさしいから、かえってやりにくいかもしれない。この技法のすべては、圧すことなしに触れることにかかっている。だからそのことを学ぶことだ。試してごらん。そうすれば一週間のうちにそれが起こるだろう。圧すことなしに触れていれば、ある日、私の言っていることが不意に感じられるだろう−−軽やかになり、ハートが開き、そして何かが頭からハートの中へと滴っていくだろう。
Osho
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