人は独りでは生きられない、私たち全員が広大な大陸の一部だ。そこには多様性があるが、それが私たちを切り離すことはない。多様性は生をより豊かにする。私たちの一部はヒマラヤにあり、星々や薔薇にある。鳥の翼に私たちの一部があり、木々の緑の中にもある。私たちはまったく分かたれていない。それを現実として経験することはあなたの生に対する全姿勢を変容し、あなたの行動ひとつひとつが変容し、そしてあなたのまさに存在そのものが変容する。
偉大なスーフィー神秘家、ファリッドの生涯で、ある王が彼に会いに来たと伝えられている。 王は彼に贈り物をもってきた——非常に高価で、めったにない、どこかユニークなところのあ るすばらしい一丁のはさみ。 彼はこのはさみをファリッドに贈るためにもってきた。 彼はファリッ ドの足に触れて、はさみを差し出した。
ファリッドは受け取り、それを見て、王に返して言った。 「殿下、おもちくださった贈り物、 ほんとうにありがとうございます。すばらしいものですが、私にはまったくなんの役にも立ち
ません。針がいただければ、その方が私にはよいでしょう。私ははさみはいりません、針でよいのです」
王は言った。 「私にはわからない。 針が必要なら、 はさみもいるであろう」 ファリッドは言った。 「私にははさみはいりません。 はさみはものを切り分けるからです。針なら私には必要です、針はものをひとつにまとめるからです。私は愛を教えます。私 の教え全体は愛に基づいています——ものごとをひとつにまとめながら、人びとにコミュニオンを教えています。人びとをま とめられるように、私には針が必要なのです。はさみは役に立ちません。それは切ります、外します。この次にいらっしゃる ときは、普通の針で充分です」
自分が全一であるかどうか、内側を見てみましょう。はさみはマインドに似ています。それは 切ります、それは分けるのです。針は愛に似ています。ものごとをひとつにまとめます。引き 裂かれたものを癒してくれます。あなたのハートを愛に向けて開きなさい。そうすれば愛があ なたを全一にしてくれるでしょう。
UNIO MYSTICA, Vol.2, pp217-21
The Path of Love(愛の道)
このカードにある物語はイスラム神秘主義スーフィズムの真髄を示す宮廷詩人ハキーム・サナイの悟りの著「ザ・ハディカ」(真理の花園)を題材に、OSHOが1978年にインド・プーナで語られた。OSHOは、この講話シリーズのなかで「The Path of Love(愛の道)」について話してる。
セクシャリティから愛へと変容することについての質問についてもOSHOは語っている。
その内容については次回のブログでお話しします。
ユニオミスティカは嬉しいことに日本語に翻訳されています。絶版にもなっていない本ですから、スーフィについて興味ある人はおすすめの一冊。